バリ島マデウィに住む女子の雑記ブログ

いつも波乱含みで周りと同じように生きられない女子の体験エピソード

#20 バリ人へのお土産はむずかしい

こちらが良かれと思って選んだものが、必ずしも相手に喜ばれるものではない。一番いいのは『なにがほしい??』と、聞くことだとは思うのだが、予算のこともある。日本の物価を知らない彼らにやたらめったら選んでもらうと大変なことになると思う。相手もいろいろ分かってくれてる間柄なら選んでもらってもいいとおもうが、なにせバリ人。『チャレンジ精神の旺盛な人』も多いわけで、だめならだめでもいいのだが、『言ってみるだけ言っちゃう!』的な人も多い。『それは高すぎるから』と断れる人はいいが、わたしを含め、はっきり断れない人も多いと思う。

帰国はお土産買いが目的ではないので面倒なく済ませたい。お土産の予算にゆとりのある人はいいとして、それほどできないけど何かあげたい場合の人を考えて、自分の体験談や人から聞いた話を元に考えていきたいと思う。

『お土産なんて。。』と遠慮がちに恥ずかしがる人もいるが、中には先ほども書いた通り『言ってみちゃう』人も多い。わたしの夫は驚くほど欲がなく、そこにも惹かれたのだが、ほんとうに欲しいわけでも期待しているわけでもないのに『なにかほしいものある?』と、聞かれると、『そう?それなら。。』と、言っちゃうタイプだ。でも遠慮がちには言わない。まさか相手がほんとうにくれるとおもってないから高いものでも平気でいう。そしてiPhoneを買ってきてくれたときは、ほんとうにくれるとおもってなく冗談だったため驚いたそうだ。これはわたしと結婚するまえのはなし。。そして今もその人と仲がよい。

わたしだけに限らず、周りの友人でバリ人男性との付き合いがあった人のはなしをきくと、みな同じような体験をしてる。甘え上手というかなにかしてあげたくなるなにかを振りまいている人が多いように思う。でも、『それはできない』と断ると、驚くほどみな同じに『拗ねる』。まるで子どもの様に。。

『あっっ、、そう。。』と、まるで物わかりのいい大人のような言い方はしない。『じゃあいいよっっ!!』といい、不機嫌になる。、、こっちの事情なんてまるで分かろうとせず、自分勝手な返事。もうほしいものある?なんて聞かないことにした。

これもこの地に生まれた一種のバリ人男性たちのもつマジック的なものだとあとになってわかるようになった。ほんとうにほしいわけではなく、そして次来た時には所持していない。『アレ(あげたもの)どうした?』『誰かにあげた』だのたくさん聞きすぎた。でもこれも最近分かったはなし、、あげたんじゃない。売ったのだ。

『ほしいものある?』と聞かれたからただ言ってみただけだ。ほんとうにほしければなんとしてでも自分で手に入れるだろう。そして、よほどのもの以外彼らはものに対しての執着がない。『誰々からもらったものだから、、』なんてまったくないと思う。むかしは思いを込めて買ってあげたもののことで随分悲しい思いをした。、、と、ここまではわたしが知る中での男性のはなし、、。

 

ここからは実際に喜ばれたものを書きたい。まず海苔。海苔は子どもから大人に渡り多くの人に喜ばれたし、リクエストも多かった。とくにイスラム教にとってはハラルに当たるため、安心して食べられるようだ。そしてお煎餅。多くのバリ人からハッピーターンを貰って美味しかっただのは聞いたことがある。インドネシア人はクリスピーでカリカリしたものが好きなためあの甘じょっぱさといい、ウケが良かったんだと思う。でも調味料のアミノ酸という表示が気になるため、わたしは渡したことがない。あられやおかきのシンプルなものであれば宗教にかかわらず安心して食べてくれると思う。

あとはカリカリ梅。やはりあのカリカリした食感とやさしい酸味とほどよい甘味がウケるようだ。人から貰ったものだが、置いといたら知らないうちに夫に食べられてしまってた。でもやっぱりこれも自分から誰かにあげるとなるとアミノ酸が気になるため、とくにイスラム教徒にわたしは選ばないと思う。

なぜこんなにアミノ酸を気にするかというと、以前義理の弟に少々怒りながらこう言われたからだ。『コカチ、あれ豚入ってたよ!』、、たしかに以前、子どもたちが喜ぶかと思ってふりかけを何種類かあげたことがあったのだが、わたしはちゃんと調べたはず。。豚などどこにも記載がなかった。

『えっっ。。うそっ!。。ごめん、ちゃんと調べたんだけど。。』と、いい、『どうやって調べたの?』と、聞いたら、よく分からなかったけど日本の食べ物など詳しく調べられるサイトかなんかがあるらしい。。もう一度あげた商品を調べると、あやしいものはアミノ酸しかなかった。そこではじめて調べたところ、植物性たんぱく質や、魚や豚などの動物性たんぱく質を原料に作られてるそう。そのアミノ酸が何由来かまでは様々なのでわからないが、アミノ酸を含めたものはそれ以来やめた。

なるほど、、『知らずに食べちゃったらしょうがないからだいじょうぶよ、コカチ』と言って奥さんが弟をなだめていたが、申し訳ないことをしてしまったなとこの時ばかりは反省した。お酒は多少飲んでも、豚だけは見るのも触れるのも嫌な人がたとえ入ってなかったとしても、間違って口にしてしまってたらと思うと怒るのも当然だ。

実際直接言ってきたことはないものの、たとえ穏やかな女性に渡した日本の食品も怖くてかそのまま手を付けられることのないまま台所の隅に置かれているのを何度か見たことがある。

なので食品に関しては、海苔、もしくはシンプルな原材料のお煎餅だけにとどまることにした。わたしはあげたことはないが、お餅を貰ったことがある人が、火を通したりせず、生のまま薄くスライスしてかじるのが好きと言ってる人もいた。お餅も安心なのでもしかしたら喜ばれるかもしれない。

ヒンズー教のバリ人にリクエストを貰ったことがあるのはこの通り。日本酒、麦茶、ねるねるねるね。。最後の『ねるねるねるね』はまさかそんなの来ると思わなかったので面白かったが、インドネシアでは日本のそういった『自分で作る系』のお菓子がひそかなブームらしい。インドネシア人ユーチューバーが動画をあげているようだ。添加物がだいぶ凄そうだからイスラム教徒には絶対買わないが、リクエストだったし、ヒンズー教だからいいのかな?と思った。

目薬は買って間違いないと思う。小さく持ち運べるし値段もそんなに高くない。実際リクエストがめちゃくちゃ多い。わたしは日本の目薬を切らして何度かこちらの目薬を試したのだが、なるほど、たしかにまったく効かない。目にただの水を差してるのと同じようだ。安いものであったとしても日本の目薬のなんと優れたことかっ!ウナコーワなどもきっと喜ばれるだろうが、わたしの必需品なので、そして刺されやすいわたしはすぐじゃぶじゃぶ使い切ってしまうので内緒にしてあげたことがない。

あげようと思って買ったものではなかったが、置いてあるのを目ざとくみつけて、植物の種を義理の兄が持っていった。。大根、ラディッシュ、サラダ菜、オクラなどなど。時間が出来たら蒔こうと思って100円ショップで買ったものだが、あまりにほしそうにするのであげたら後日また違う義理の兄と取り合うようにして分けたとのこと。

都会ではどうなのか分からないけど、ここでは自分で作ったものをワルンに置いて売ってもらうことも可能だ。またはちょっと変わった野菜でビジネスを考えている人もいる。家でできたオクラに興味深々で、どうやって食べるの?と聞いてきた人もいる。健康食品で有名な『モリンガ』、インドネシア名『ケロール』、これを作って輸出してる人が知り合いの知り合いにいるそうだ。ためしにこちらで野菜の種の値段を見たことがあるが、値段は日本と同じで300円ほどだった。『さくら』に興味のある女性は多く、さくらに関連するものも喜ばれるかもしれない。

 

お土産もいろいろ経験してわかったが、結局彼らの生活に密着してるものでなければほぼゴミ同然だ。日本の富士山などの絵が描いてあるお箸なんてあげてもなんの意味もなかった。あげずに自分で使えばよかったと思うものはたくさんある。そして、日本のものとまったく同じではなくとも似たもので中国製などはオンラインショップで簡単に安く手に入る。

そうなると、先ほど書いた、海苔や目薬、または日本ならではのところで、サンリオキャラクター製品などは喜ばれるかなとおもった。大人が持っても可愛いし、実際文房具などは学校に通うくらいの子どもたちが喜んでくれた。正規店で買うと高いけど、100円ショップでわたしもほしくなるくらいの可愛いものがいっぱい売ってる。

本当は日本自慢になるからフリクションボールペンやおもしろ文具を買いたかったけど、家族に子どもたちがたくさんいすぎるので予算オーバーで叶ってない。

でも、、日本帰国からしばらく経っていつも思うのは、こちらにはこちらの時間が流れてて、たいしてお土産云々であとあとどうこうなるわけじゃないので、『おみやげほしい』と言われた場合を除いては、『別にお土産いらないかな~』と結局のところ思っている。買わなかったからどうこうなるわけでもなく、その場で沸くだけだ。

どこかで、、読んだことがある。インドネシア人はお土産をもらってもその場ではあまり嬉しそうにしない人が多いらしい。恥ずかしいのか何なのか。でも表情に出さないだけで心ではものすごく喜んでると。。たしかに、、大方大人はみんなそうだったな、、。『わぁぁ~~♡』とはならず、『なに?これ?』みたいな。

まぁたしかに得体の知れないものだから『なに?これ?』で合ってるんだが、それが何だったとしても、わたしなら『わたしのために?(買ってくれたの♡?選んでくれたのっ♡?)』と、第一声で分かりやすく喜ぶんだけど、どうやらここの人たちは違うようだ。

でもな、わたしは『喜ぶ反応が見たい人』だから反応がないのなら、その人のために選んだ時間や費用などなど、、報われなさ過ぎて悲しいかな。。だから結局いらないのかも。そういう答えにいきついた。

最後思い出した話。。わたしは子どもが生まれてから2度日本へ帰国している。2度目はこっそりさっさと帰国した。父が亡くなって帰国したのもあるけど、帰国をあまり公にしたくなかった。2回とももちろん夫には告げている。でも、1度目も静かに出国したかったのに、夫が大ごとに告げたせいで『旅の無事を祈る』ためのスラマタン(祈りの行事)をやることになった。有難いことだけど、素直にしばしの別れを悲しんでくれる人もいれば、会うなりとっさに本気で『おみやげはなにがいいかなぁ、、』といいはじめる人もいた。高価な難題をねだってきそうな人だ。想像通りだ。

妊娠中からコロナに入り、久しく帰ってなかった1回目の帰国。わたしはまじめに考えてしまう性格でそれがストレスになるタイプ。結局2か月間の帰国中、それを言った人のお土産のことばかり考えてしまい、すっごいストレスになった。

結婚前にもVISAの手続きのため1度フィリピンへ出たことがあるのだが、その時もたいして親しくない夫の友人の奥さんにこっそり耳元で『ミンタオレオレ、ヤ』(おみやげちょうだいね)と、囁かれたことがある。先ほどと同じく、慣れなく恐ろしい思いもしたマニラ滞在中、その人のお土産のことが大きなストレスとなっていた。VISAのために行ってるのに図にした場合、この人のお土産が多くのストレスの範囲を占めてる。

『きゃーーこわいっフィリピンッ(泣)!でもあのひとにお土産買わなきゃ(泣)!』この家族はその頃しょっちゅううちに来ていた。。夫と話すというよりも何か欲しさで来てる感じ。よく分からない訪問でいて、いつまでもいつまでも長居。夜遅くに来て無意味に長居されるとイライラして『キィィッ!』となる。きょろきょろしては使ってないものを『あれ誰の?使ってる?』とか聞いてくるのでもう来ないでアピールをし、それ以来っきりだが。

いい加減にできればいいのだができない性格なので、ストレスになるならば付き合いを絶つほうが気楽だ。あとで聞いたがその家族は他に対してもそうらしい。

夫にしてみればまだ小さい我が子を安全に行かせたいからスラマタンを開いたのもあっただろう。でもわたしからすれば、そんなことを1度やって愛を示すよりも、日ごろから愛を注げよ、という感じだ。お金は出すが男というのもあって動くのは周りの家族。

なんだかちがうな、といつも思う。『とにかくしずかに帰らせて、サヤン(愛がある)なら黙ってて、帰ることに集中できない』。家族の中に外国人と結婚してる人が何人かいるが、帰国するのにわざわざスラマタンなんて1度も聞いたことがない。小さい子がいてもだ。なんでわたしだけ??

おみやげやプレゼントは気持ちよいやり取りならいい。ねだられてこっちが動くのはごめんだ。だから帰国はこっそりがいい。